競争優位を生み出す「自社に必要な知識」を体系化する(知識体系構築)
自社の事業に携わる人材に必須の知識を、体系的に「見える化」する。
以下、Q&A形式で弊社代表が事例紹介をしています。
人材育成体系というのは聞いたことがありますが、知識体系というのは、あまり聞き慣れないですね。
そうでしょうね。人材育成体系については、求める人材像を明確にして、それから、一般社員、管理職等に区分した各階層においてどのような能力が求められるかを定めて、その能力を獲得するのに必要な知識、スキル(技能)、態度は何かという順序で設計していきます。これに対して知識体系は、顧客企業様の事業や組織のあるべき姿を明らかにして、事業遂行や組織運営において、どのような知識がどの階層で必要になるのかという決め方をします。知識体系を構築する際にも、求める人材像が顧客企業様で既に設計されている場合は参考にしますが、求める人材像ありきではなく、あくまでも事業や組織のあるべき姿が検討の軸になっており、その点が、人材育成体系と知識体系の分かりやすい違いの一つに挙げられます。
コアインテグリティーで手掛けた知識体系構築の事例を一つお願いします。
守秘義務があるので、あまり詳細にはお伝えできないという前提をご理解ください。ある世界的に有名な日本企業・・・誰もが社名を知っている超巨大企業です・・・が、「自社の研修体系を検討しているが、その検討に際して、そもそも、自社の社員は、何を知識として知っていなければならないかが明確でないままに、手法、手段である人材育成の体系をつくるのは違うのではないかという疑問が出てきた。なので、まず、自社に必要な知識を体系化したい。ただ、その、知識体系なるものを、一体、どうやって作り上げればいいのか全く分からない、そういうことができるコンサルタントはいないのか」とお探しになっていたのです。
その顧客は、コアインテグリティーにどうやってアクセスできたのでしょうか?
弊社には懇意にさせていただいている企業様がいくつかありますが、その一つの企業様からのご紹介です。
どういう風にして作り上げたのでしょうか?
そこは企業秘密なので詳細はもちろん明かせませんが、ポイントを一つお伝えすると、「創造的思考と論理的思考を併用しつつ経営的目線と現場目線をいったり来たり」ということが、知識体系を作り上げる際には自在にできる必要があります。
どういうことでしょうか?
例えば、その顧客企業様の事業や組織の現在及び将来は、どのように展開していくのか、かつ、そこで、一般社員や管理職は何を知っていて、どのような行動が求められるのかという検討ポイントでは、創造的思考と論理的思考を併用しつつ経営的目線と現場目線でアイデアを出し、内容を詰めていくことが必須です。
なるほど。そのようなことを考え続けていると、検討が行き詰ったりはしないのでしょうか?
弊社側ではあまり検討の行き詰まりは無かったです。検討の行き詰まりということで言えば、印象的なのは、その顧客企業様において、「コアとなる知識」というそもそもの言葉の意味が、顧客企業様の検討メンバーの中でも一意になっていなかった点ですね。コアとは弊社の社名にも入っていますが、核という意味ですね。「コアとなる知識」が、「自社の競争優位を確立する上でコアとなる知識」なのか、「全ての社員が等しく持ち業務で活用するという意味でコアとなる知識」なのか、その2つの意味のどちらにも取れるわけですが、顧客企業様の検討メンバーによって見解が異なり、なかなかまとまらなかったのです。
それは、どのようにしてまとまったのでしょうか?
数回にわたるディスカッションを経て、結局、両方の意味、観点を用いて「コアとなる知識」を固めようとなりました(笑)。そこで「コアとなる知識」も2種類に区分しつつ、体系化を図りました。
なるほど。知識体系とは、具体的にどのようなものが出来上がるのでしょうか?
これも、あまり詳細にお伝えはできませんが、簡単に言えば、知識体系の成果物は、ものすごい量の知識が書かれたファイルの集まりです。知識体系の中のあるテーマを選択して、そのテーマに関する知識を抜き出せば、そのテーマに関する基礎的な研修テキストが簡単に出来てしまうようなものです。
そういう成果物が簡単にできるのでしょうか?
その顧客企業様の検討メンバーや、弊社を紹介してくださった方々がおっしゃるには、「今回のニーズに対応できそうなコンサルタントは他には見つからなかった」ということでした。知識体系を成果物に仕立て上げる段階は非常に多くの作業量が求められるので、弊社も外部パートナーの協力を適宜、借りながら進めました。ですが、「コアとなる知識」の定義づけからその範囲、内容を固めていくあたりのノウハウを有している組織人事コンサルティング会社は、そんなには存在していないと思っています。
コアインテグリティーにしかできないノウハウがある、ということですね。どんなノウハウなんでしょうか?
ノウハウはもちろんここでは明かしませんが、一つ言えることは、知識体系の構築にあたっては、顧客企業の検討メンバーの方々との対話・ディスカッションを重視しつつ、弊社側から知識体系に関する設計資料や知識体系の原案を提示して進めているということです。ですので、最終的に、顧客企業様の検討メンバーの方々は成果物への納得感が極めて高いようですし、創り上げた知識体系をベースにして様々な人材育成施策を展開されています。